先天性疾患は決して母親の責任なんかではない
病気の事を調べていると大きな病気と闘ってる、小さないのちをよく見かけます。
その度にきっとお母様はたくさんの葛藤の中にいるんだろうなと感じます。
こんな身体に産んでしまってごめんね。
そんな言葉も度々見かけます。
私も母に何度か言われた事があります。
でも、そんな事ないのに、お母さんのせいじゃないのにっていつも思っていました。
それはもちろん、病気も症状も考えも人それぞれで一概には言いきれないのですが、私には大好きなお母さんがそんな風に言うことがとても悲しかった記憶があります。
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思春期を迎えた頃から、私と母の間には少しずつ溝ができはじめました。
初めはただの反抗期だったのかもしれません。
でもそれは日を追う事にエスカレートしていって二十歳を迎える頃には深い確執となっていました。
この事で高校生から二十歳を過ぎるまで母と私は母子心療内科に通いました。
大好きなお母さん。
なのに上手くいかないんです。
当時の先生には私の病気が大きく関係していると言われました。
胆道閉鎖症は以前、先天性胆道閉鎖症と言われていました。
産まれながらの病気。
産んだ私に責任があるのでは!?
多くのお母さんはそう感じるんだよ。
まだ高校生だった私に先生は時間をかけて丁寧に教えてくれました。
母も例外なくその一人で、私の病気の告知を受けた時妊娠中のあらゆる行動を思い返しては後悔したそうです。
そして自分が私の面倒を一生見ようと決意したそうです。
そのおかげで私は幼少期とても守られて育ちました。
思春期を迎えた頃、運がいい事に私はほとんど普通の子たちと同じ様に生活ができていました。
当然将来の夢ややりたい事も人並みにあって、しかし何かをやりたいと口にすると必ず母に
「やらなくていいでしょ」
と第一声で言われました。
今ならそれが心配からの言葉だと分かるのですが、当時の私には不服でした。
私を守ろうという母の正義感は私にとっては過干渉に映りました。
当時から野心が強かった私はそんな母に真っ向からぶつかりました。
譲らない母もどんなにぶつかっても変わりませんでした。
母はずっと心のどこかで苦しんでいたと思います。
母の中では拭えない
「自分の責任で病気にしてしまった我が子」
に万が一の事があったら・・・
そのままお互い何年も変われずどんどん溝を深めていく事になってしまいました。
先天性疾患だから
もちろん理由はそれだけではなく、私と母の性格とかもっと色んな事が複雑に絡み合ってしまった結果なのですが、根底にある理由は病気なんじゃないかなと私は感じています。
私が今思うのは、病気と闘うお子さんをお持ちのお母様にそんなに思い詰めないで欲しいという事です。
そんな事言われても…な事情や、私なんかには計り知れない複雑な気持ちもあると思います。
でも私の場合はお母さんが大好きだったしお母さんのせいだと思った事は一度もありません。
色々共に乗り越えた今だから言えるのかもしれませんが、私のお母さんがこの人で良かったと心から思っています。
家族の事は深刻になると解決に大きな労力と時間を費やします。
どうかそうなる前に、変化に気がつく事、そしてそのままにしない事、それを大切にして欲しいなと思います。
いろの